季節が春に変わりはじめ、雪解けの季節を迎えると山のミネラルをたっぷり含んだ雪解け水が清流気仙川を通じて、豊富な植物プランクトンが山から広田湾へと流れ込みます。すると米崎の漁場はプランクトンで褐色に変わり、その現象は「スプリング・ブルーム」と呼ばれ、牡蠣をおいしく育ててくれる北国の春を告げてくれます。
　春の牡蠣は漁師がススメる一番美味しい時期にもかかわらず、大規模流通での需要がないことから、これまでは市場に出ることがありませんでした。そんな春の牡蠣での中でも、身がタップリつまり、旨味が凝縮した小ぶりな牡蠣が ”雪解け牡蠣 ”です。
 

世界三大漁場三陸沖 広田湾は大きな工場もなく、綺麗な漁場として、牡蠣をはじめとする海産物が築地市場でも最高級の評価を受けています。
　特に春には太陽が多くのプランクトンを生み出し、その海中を水温と外温の差から起こる海中での上下の循環運動、そして春特有の偏西風が波と一緒にプランクトンをかきまぜて、漁場全体が栄養に満ちた状態となります。
　中でも米崎町は広田湾の中でも内湾に位置する漁場で、水深が浅いことから漁場全体がプランクトンいっぱいの豊穣な漁場となります。　そんな米崎だからこそ生まれたのが＂雪解け牡蠣 ”です。

 
　美味しい牡蠣ができるまでには自然環境の力に加えて、牡蠣の栄養となるプランクトンを適切に行き渡らせる環境を作る漁師の力が必要不可欠です。
　そのために学さんは父親の洋一さん達と一緒に毎年 10万個の牡蠣を１つ１つ手作業で削る間引き作業（栄養を与えるための数量調整）を行ったり、真夏には牡蠣についた栄養を奪い合う貝や海藻などの雑モノを除去する ”温湯処理 ”、そして栄養価の高い漁場に牡蠣を移動させたりすることで牡蠣に栄養が行く環境作りを行っています。、長年のこうした手間と労力をかけた地道な努力が市場でも高く評価をされ、今では築地市場を始め全国の様々な市場でも引き合いがある人気の牡蠣となっています。そんな生産者が作った ”雪解け牡蠣 ”です。